当院では、
日帰り白内障手術を実施しています。
白内障手術は、新しい手術装置や眼内レンズの進歩のおかげで今では多くの方が経験される手術として随分身近になりました。「手術を受けたらよく見えるようになった。明るくなった」という話を耳にされる機会もあるのではないでしょうか。
白内障は、レンズの働きをする水晶体が加齢やケガ、病気などによって濁り、見えにくくなる病気です。
症状は、レースのカーテン越しに見ているようだと表されるとおり、かすみや見えにくさ、まぶしさなどがあります。
白内障手術は、濁った水晶体を人工の眼内レンズに交換することが第一の目的です。これによって症状の改善が見られます。日帰り手術では手術前後の自己管理が発生するため、手術の注意点などをご理解いただいた上で手術に臨んでいただく必要があります。詳しくは、診察や手術前検査、白内障説明会などでご説明します。
白内障手術の流れ
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診断
検査結果や診察の結果から白内障を診断します。 手術の決定約1か月半~2か月前
白内障が進行し、手術を希望されるようでしたら手術について検討を始めます。
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手術の説明
診察時に白内障と手術に関する説明をします。 -
手術の適応の判断
眼の状態、全身状態、家庭環境、通院の可否、手術への理解度、その他さまざまな面を考慮し、日帰り白内障手術が適するかどうか判断します。慢性疾患がある場合は、かかりつけの先生から手術の適応に関する意見を書面でいただきます。日帰り白内障手術に適しないと判断したときは、入院設備のある市立病院や大学病院などを紹介します。 -
手術日の決定
ご都合をお聞きし、手術日を決定します。およそ1か月~2か月後になります。
※白内障手術は、安全に行うために予告なく延期や中止の判断をすることがあります。
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手術に向けた準備約1か月前~
日帰り白内障手術日が決定したら、手術に向けた準備を始めます。
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しおり
手術日が決定したら、手術前後の検査や生活上の注意点、点眼などについて詳しく記したしおりをお渡しします。診察時にお持ちいただけるよう専用手提げ袋にお入れしています。 -
手術前検査(術前検査)
視力検査などの他、以下の検査を実施します。検査によっては複数回実施します。- 眼軸長検査(Aモード法、ALスキャン)
眼球の長さを測ります。結果は、手術時に挿入する眼内レンズの度数を計算するときに使用します。 - 角膜曲率半径計測
角膜(黒目)のカーブ(屈折力)を測定します。結果は、眼内レンズの度数を計算するときに使用します。 - 角膜内皮細胞密度検査
角膜(黒目)の内側にある細胞の数を測る検査です。得られる数値から角膜が手術に適応しているかどうかを確認します。 - 血液検査
感染症の有無を調べる検査です。(B型肝炎、C型肝炎、梅毒) - 皮内テスト
麻酔薬のアレルギーの有無を調べる検査です。
- 眼軸長検査(Aモード法、ALスキャン)
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眼内レンズ度数の決定
水晶体は膨らんだり縮んだりすることで遠くにも近くにも焦点が合います。しかし、眼内に挿入する人工のレンズは単焦点です。もともとの近視の有無や生活スタイルによって、遠くか近くに焦点が合うように眼内レンズの度数を決定します。診察時に見え方のご希望をお尋ねし、話し合って決めます。
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手術前の点眼開始手術3日前
感染予防の点眼を開始します。 -
手術手術当日
指示どおりに準備をしてご来院ください。
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点眼
3日前から続けている感染予防の点眼をします。 -
瞳孔を開く点眼
指示された時刻に瞳孔を開く点眼をします。 -
来院
予約時刻に来院します。(送迎車はありません。) -
回復室で準備をします。
血圧測定
体温測定
ヘアキャップをかぶります。
専用の上衣を着ます。
ご希望の方には、気持ちを和らげるお薬を投薬します。 -
手術室に入ります。
椅子が平らになり仰向けになります。
仰向けになるのが難しい方は、タオルなどで支えをします。
日頃からまっすぐに仰向けになることが困難な方は、手術前の診察時にお申し出ください。場合によっては、あらかじめ手術室で手術ができるかどうかを確認します。 -
手術開始
消毒や麻酔をしてから手術を始めます。
手術中の痛みはあまりありません。
ただし、消毒薬がしみたり、手術器具の操作による圧迫感を痛みに感じることがあります。
手術中は3つの光が見えるのでその光を見つめます。眼や頭を動かさないようご協力ください。手術中はリラックスして指示に従ってください。
手術時間は人によって大きく異なります。
丁寧な手術を心掛けています。安心してお任せください。-
耳側切開
麻酔は点眼麻酔を使います。白眼と黒眼の間あたりを2.4ミリ切開します。 -
前のう切開
水晶体の袋の上部に直径5.5ミリほどの穴を開けます。 -
超音波乳化吸引術
白く濁った水晶体の中身を超音波で砕いて吸引します。その後、皮質と呼ばれる部分も丁寧に取り除きます。 -
眼内レンズ挿入
人工の眼内レンズを水晶体の袋に挿入します。2本の手で突っ張って水晶体の内部に固定されます。
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回復室
手術後は、少し回復室で休みます。
身に着けたものを外します。
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待合室
待合室で温かいお茶とお茶菓子、おしぼりをお出しします。
ご家族などのお迎えは、この時間に来ていただきます。
翌朝の診察までの注意点や点眼の指示などについて簡単に説明をします。 -
ご帰宅
手術をした眼に大きな眼帯をします。足もとには十分に気をつけてお帰りください。
院長が、手術後の状態を確かめるためご自宅にお電話をします。ご不安な点があればご遠慮なくお尋ねください。
診療終了後から翌朝までは、緊急対応できるよう院長直通の電話番号をお知らせします。
日帰り手術ですが、万一の体制も整えていますのでご安心ください。
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手術後の点眼と診察手術翌日
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点眼
朝起きたら、感染予防の点眼をします。 -
内服薬
感染予防の内服薬は、3日間服用します。 -
眼帯
眼帯をしたまま来院します。視力検査と診察をします。問題がなければ眼帯を外します。 -
ご清算
前日の手術費用と本日の診療費をお支払いただきます。
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白内障手術後手術翌々日~約3か月後
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診察や点眼
指示通りに診察や点眼を続けてください。 -
見え方
手術後の見え方には個人差があります。 -
両眼の手術
両眼手術の場合は、2週間あけて行います。 -
眼鏡
手術後3か月で眼鏡の処方ができるようになります。眼鏡の使用をご希望の方は、診察時にお尋ねください。
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後発白内障
白内障手術をしてからしばらく経ってから見えづらくなることがあります。
これは、眼内レンズを挿入するために残す水晶体の袋に濁りができるためです。
これを後発白内障と言います。
外来でできるレーザー治療で症状が改善されます。 -
合併症
白内障手術に伴う合併症については、診察時や白内障手術説明会の中で説明します。万一合併症が起きた場合は、その症状などによって改めて手術を実施したり、大学病院などへ紹介したりします。費用もその都度発生します。 -
経過
白内障手術後の経過には個人差があります。人によって検査、診察、投薬、その他さまざまな指示等が異なります。視力の出方も個人差があります。診察時にご説明しますので、ご不安な点などはお尋ねください。
白内障Q&A
- 白内障はどのような病気ですか?
- 人が物を見るためのレンズ(水晶体)が濁ってくる病気です。
- どのような症状が現れますか?
- 見えにくい、まぶしいなどの症状が出ます。
- 治療方法は?
- 初期のうちは点眼薬で進行を遅らせます。進んできたら白内障手術を行います。
- どのような手術になりますか?
- 水晶体内部の濁りを取り除いて人工のレンズを挿入します。手術は、点眼麻酔をして顕微鏡下で行います。痛みはあまりありません。→ 白内障手術の方法へ
- 白内障手術前後の通院はどうなりますか?
- 手術前2・3回、手術後は翌日・翌々日・1週間後・2週間後・1か月後・2か月後などの通院の指示が出ます。(個人差があります)
- 白内障手術後、仕事や旅行はすぐにできますか?
- 1週間程度で仕事に復帰できます。旅行は2週間程度で可能です。(個人差があります)
- 白内障手術後は眼鏡が不要になりますか?
- 眼鏡は必要です。眼鏡の調整は、術後3か月以降にお勧めします。
- 手術後の入浴はいつから可能ですか?顔や髪は洗えますか?
- 手術翌日から首より下の入浴が可能です。顔や髪は1週間後から洗えます。
- 白内障手術は安全ですか?
- 比較的安全な手術ですが、合併症などにより再手術や大学病院での再手術、硝子体(しょうしたい)手術などが必要になることがあります。費用も別途かかります。